時宜を得た一針は九針の手間を省く

タイトルの言葉

時宜を得た一針は九針の手間を省く

というのはイギリスのことわざらしいです。

時宜(じぎ)というのは、適した時という意味で、適した時に一針、手間をかけておくことで、後々、縫い直したりして沢山の労力をかけることが省かれるという意味なんだそう。

この言葉、テレビでたまたま知ったのですが、
洋裁をしている自分には、すごく説得力のあることわざで、気に入ってしまいました。

洋裁だけに限らずですが、
下準備をどれだけするかで、後のことが円滑に進むかは、ほぼ決まる事って多いものなのではないかと思います。

洋裁では、縫うまでの、製図、裁断、印つけ、
しつけなど、沢山の工程があるのですが、
これらは省いていきなり縫うということも可能です。

特に、大物や、少し細かいところを縫うときにこの言葉を意識するようにしています。

まち針を打って、ささっと縫ってしまえば、
早いのだけど、ズレて結局やり直すハメになったりすること多い。。
それを、手縫いでしつけして細かく固定してからミシンを入れると、ズレも少なく、綺麗に仕上る。

しつけをするのはまち針を打つより手間がかかるけれど、後にズレて縫い解いてそこからやり直すことを思えば、結果的に始めから手間をかけて縫う方が、早いし、生地の痛みもなく、強度もよくなるし
仕上がりは確実によくなる。

もちろん、綺麗に縫うことが全てではないし、
楽しければそれがなによりだけど、
雑に縫ってやり直すことは結構労力も使うということも事実。

時間はかかるけど、一手間かけることは、
後々楽だし、そうして手間をかけて仕上がった作品は、出来た時の喜びは大きいもの。

時宜を得た一針は九針の手間を省く

教室には、色んな方が来られますが、
しっかりしたものを作っていきたい方には、
このことわざの話、伝えていきたいと考えています。

縫い物だけでなく、お仕事、家庭、
色んなことでも応用していける事だと思います。

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襟ぐりや袖口部分は、いつもしつけをしてから縫います。